鑑賞した日付:2021年8月1日
アニメ「少女終末旅行」  作者:つくみず
★★
総合点:39点/100点

 とにがく、オタク臭がハンパない作品。
 こちらで紹介したAMVの中に入っていたのでどんな話なのだろうか?と確認してみたくて見てみたアニメ。古いロシア軍みたいな軍服を着た二人の少女、チトとユーリがマニアックなドイツの軍用車両みたいなものに乗って滅んだ世界をアテもなく旅する話。


 滅んだ世界を旅する…という舞台設定は好き目な話だし良いのだが逆に言えばそれくらいしか良い部分が無い。というか全体的にオタク臭くて見ちゃいられない。このどうしようもないほどのオタク臭は数々のアニメを見てきた僕でさえ気持ち悪くて視聴を続けられないほどだった。というか僕は特別こういうオタク臭が嫌いだから…というのもあるのだけれど…。
 このオタク臭についてもう少し説明しておくと、これはいわゆる「萌え系、ゆる系」のオタク臭ではなく、いや、そういうオタク臭も多分に含んでいるのだが、このオタク臭は「ミリタリーオタクの血液型A型のメガネをかけたバッタみたいな顔をした去勢されたオタリーマンみたいなオタク臭」なのである。典型的なそういう奴が自身のオタク趣味で描いたんだろうな…と思うような話、内容。それは「キノの旅」の所でも書いたことだが、だから、ある程度「キノの旅」にも似た話であるのだが、僕はそういうのが特別嫌いなので…、ということ。

 似た話ということで言えば、「ケムリクサ」とも似た話と言えると思うが、この話はケムリクサと違って登場人物たちの「旅をする目的や意味」が無くて、話的に無理があるしツマラナイ。ケムリクサの場合は、ほぼ同じようなシチュエーションでも、ジっとしていたら敵が襲ってくるし、水がなくなってしまうし、その敵の大本を倒す!という目的もある。つまり旅をする、しなければならない理由が明確なのだが、この話ではその辺がゆるふわファンタジーとして誤魔化されているのがツマラナイ理由にもなっていると思う。話が全体的に陳腐になるかもしれないが、多少はそういう「襲ってくる敵」とか「タイムリミット」とかを作った方がストーリーとして締まると思う。

 あまりのオタク臭と内容の無さに、また、3話目くらいで「カナザワ」とかいう去勢されたオタリーマンみたいなキャラが出てきた時点で僕にしては珍しく3話切りしようかと思ったが結局惰性でその後も見続け最終話まで全部見てしまった。

 「サカサマのパテマ」の所でも言ったが、SFならSFでも良いが、その世界観なりの整合性等が無いと途端に見る気がなくなる…というのがこの話にも多分にあって、そこをゆるふわオタクファンタジーで誤魔化すなよ!と言いたくなるツマラナサがあった。浅はかというか。

 なので始終、星1つ、10点代だな…と思いながら見ていたが、最終話まで見れば、さすがにオチは多少良かったのでここまで得点が上がった。オチはなかなか良かった。ただ、最終話まで見ると、今度は宮崎駿監督作品の影響が強く出始め、それもどうなのかな…?と判断に迷った。まあ、そもそも宮崎駿自体がミリタリーオタクなそういう人なわけで…。

 この作品は一応ゆるふわ系だし、音声的にうるさくはないので、作業用BGM的映像として今後ローテーションに加えられる可能性もある。しかも、人によっては、この作品を「凄くイイ!」と高評価する人もいるだろうな…とは思った、というかそれは分かる。ただ個人的にはダメだった…といった感じ。
 上述した様なオタク臭に抵抗のない人や、「ネコ」の事を「ぬこ」と言うような奴に抵抗がない人は見てみると良いと思います。おススメ出来ないことは無い作品でした。
 また、そういうオタク臭みたいなものを感じ取る事が出来ないであろう外国人にはかなり評価が高いアニメでもあるようだ。そして、上述はかなり酷い!というレビューになってしまっているが、思い返してみれば、全体のテーマがそもそも「絶●と仲良くする…」という、かなり良いテーマであることを加味してもう一度考えてみれば、うん…、やっぱり結構良かったような気もしてきた…。

 なので…、SIROBAKOみたいに、見終わってからジワジワ来る系の良さのある作品だったのかもしれない。でもそれは逆に言えば「見ている最中はそれほど面白くない作品」という風にも言えるよね!?エンタメ作品としてはそれは致命的というか、かなりのマイナス点になってしまうだろう。


ちなみに、僕は、「キノの旅」も「作業用BGM的映像」のローテーションに入っている。
「作業用BGM的映像」とは、僕の作った造語で、その名の通りでもあるが、見るでもなく見ないでもなくただつけておく映像作品の事である。








少女終末旅行 3 [Blu-ray]
久保ユリカ
KADOKAWA メディアファクトリー
2018-03-28