鑑賞した日付:2020年8月2日
アニメ「カイバ」  作者:湯浅政明
★★★
総合点:68点/100点

 「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」などの監督による、記憶を巡るSFファンタジー。
 この作者特有の絵が独特な雰囲気を醸し出しているが、さすがにクセが強すぎる気も…。


 この作者の“ヘタウマ”みたいな絵は雰囲気があって悪くはないが、どこか全てが夜のシーンみたいな印象で妙な閉鎖感みたいなものを感じて見ていて辛い。

 ここではないどこかの、おそらく未来において、記憶を改竄したり奪い合ったりする話で、登場キャラクターも多いので、それぞれのキャラクターがどういう立場で何を思って行動しているのかが把握し辛すぎる。また、この絵柄で話が過去や現代に飛び交うのでストーリーをちゃんと把握するのはほぼ無理であろうと思う。特に初見では。
そういう舞台設定や世界観の話なら、特に勤めてストーリーラインが分かりやすいようにスッキリとさせるか、何かしらの狂言回し的な役回りをハッキリさせておくべきだったと思う。とにかく最後の方はもう、誰がどんな思惑で何をしようとしているのか、この物語や主人公の最終的な願いというか、帰結する結末は何なのか?等が全く理解できない。理解不能。そもそも主人公が誰なのかもよく分からなかった。しかもそれでいて、それほど深遠な話…というわけでも無かったような…。
特に、全12話の内、2話から9話位までの話はあまり必要ない様な、退屈な感じもした。

それにしてもこの作者、いろんなタッチの作品を手掛ける人なんですね。

この作品は…、悪くはないけれど、ちょっと高評価も出来ない、のめり込めないダルさもあった。
どこか暗い様な、閉鎖的な印象も受けたけど、全体的な雰囲気は凄く良かったと思う。